今回の撮影で最も大きなトピックの一つが、欧州・イベリア半島で行われた長期ロケーション撮影だ。古くから多様な文化が交錯し、独特の歴史的建築が残る同地は、物語の舞台となる異様な空間を見事に表現している。
異国情緒漂う石造りの街並みと、乾いた風が吹き抜ける独特の気候。それが重苦しいサイコホラーの空気感と絶妙に融合し、日本国内の撮影セットでは再現不可能な生々しい空気感を生み出した。現地のエキストラやスタッフを巻き込んだ撮影は連日深夜まで及び、監督が求める「異界への入口」としてのリアリズムが極限まで高められている。