ネット上の情報では「わさび菜は加熱すると栄養がすべて失われる」「アクが強いので長時間水にさらすべき」といった言説が散見されますが、これらには食品科学の観点から明確な誤解が含まれています。
まず、長時間の水さらしはビタミンCや葉酸といった水溶性ビタミンの大幅な流出を招きます。わさび菜のビタミンC含有量は100g中約44mgと、ほうれん草を上回る優れた数値を誇ります。辛味を抑える目的で10分以上水に浸す行為は、栄養面において大きな損失となります。辛味を抜きたい場合は、前述の「50℃洗いで30秒」あるいは「マヨネーズや油分で和える」物理的マスキングが最も理にかなっています。
また、緑黄色野菜であるわさび菜には強力な抗酸化作用を持つβ-カロテンや、骨の健康を支えるビタミンK、腸内環境を整える食物繊維が豊富です。β-カロテンは脂溶性であるため、ドレッシングの植物油や豚肉、ナッツ類と一緒に摂取することで体内吸収率が数倍に高まるという科学的メリットが存在します。