多くの人が思い浮かべるのは最初の1節ですが、山本五十六の名言の全文は、人間の成長段階に応じた3つの連作で構成されています。「動かす」「育てる」「実らせる」という3つのステップを踏むことで、人は初めて一人前のプロフェッショナルへと開花します。
【第1節:行動の動機づけ(初動)】
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
【第2節:主体性の醸成(育成)】
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
【第3節:自律と結実(大成)】
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
最初の節は「手取り足取り教える初期教育」に過ぎません。第2節の「人は育たず」、第3節の「人は実らず」へと続くことで、指導者の役割が「指示者」から「支援者(ファシリテーター)」へとシフトしていく構造が描かれています。
多くの育成現場で「指示通りにしか動かない」と悩む上司の多くは、第1節のやり方に固執し、第2節以降の「任せる」「感謝で見守る」というステップを省略してしまっているケースが散見されます。