テキストベースのコピペとして始まった「びっくりするほどユートピア」ですが、その拡散スピードを劇的に加速させたのがアスキーアート(AA)職人たちによる視覚化でした。
初期には「やる夫」や「モナー」、さらには「ドラえもん」をデフォルメしたAAが、満面の笑みで全裸になり、小躍りしながら自身のお尻をリズミカルに叩く姿が作成されました。文字情報だけでは想像に委ねられていた「奇怪な儀式」が一目瞭然のビジュアルとなったことで、掲示板内での汎用性が飛躍的に高まったのです。
さらに2000年代後半から2010年代にかけて、プラットフォームの主役がテキスト掲示板から「ニコニコ動画」へと移行する中で、このミームはさらなる進化を遂げました。
- 音声MADの隆盛:リズミカルな「びっくりするほどユートピア」のフレーズをサンプリングし、中毒性の高いBGMに乗せた音MAD動画が多数制作され、総合ランキング上位に進出。
- 3Dモデル(MMD)による再現:MikuMikuDance(MMD)の普及により、人気アニメやゲームのキャラクターが軽快なステップでお尻を叩きながら周回する動画が大量に投稿。
- ゲーム・実況界隈への波及:ゲーム実況者が高難易度ステージで理不尽なゲームオーバーを食らった際の「絶望リアクション」として定着。
視覚・聴覚の両面でコンテンツ化されたことで、2chを直接知らないライトなネットユーザー層にも「理不尽な目に遭った時の合言葉」として認知が広がっていきました。