設置計画を進める上で、施主が見落としやすい最大の落とし穴が「防災上の強度規定」と「法的な建築制限」です。
強風対策において絶対におろそかにできないのが、台風対策アンカー工事です。一体型の物置は、物置単体と比べて「片持ち屋根」のように風をはらみやすい構造を持っています。台風襲来時には駐輪スペースの屋根下から強烈な吹き上げ荷重(上向きの風圧)が加わるため、地面に置いたコンクリートブロックの上に本体を載せるだけの簡易施工では、強風で躯体ごと転倒・損壊する致命的な事故につながります。四隅の柱下および基礎部への確実なアンカー打設と、土間コンクリートへの強固な緊結が不可欠です。
もう一つの重要事項が、建築確認申請と建ぺい率の法的制約です。建築基準法上、屋根と柱が存在するサイクルポート付き物置は「建築物」として扱われます。たとえ既製品の組み立て物置であっても、土地の建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)に算入されるのが原則です。
特に都市計画区域内の準防火地域や防火地域に指定されている住宅地では、増築規模に関わらず建築確認申請の提出が義務付けられるケースが存在します。敷地ギリギリに建てた結果、建ぺい率オーバーの違法建築となってしまい、将来の住宅売却時にトラブル化する事例が報告されています。購入前には必ず敷地の余剰建ぺい率を確認しなければなりません。