日常会話や文書作成において混同されやすいのが、「昨今と最近の違い」および「昨今と近頃の違い」です。これらはすべて「過去から現在に近い時点」を表す類義語ですが、包含する時間の長さ、言葉の硬さ(フォーマル度)、そして使われる文脈の対象に顕著な差異があります。
第一に、「最近」は最も守備範囲が広い表現です。「最近(数日前)買った本」のように極めて近い過去の単発の出来事から、「最近3年間の売上」といった継続的なスパンまで、公私を問わず会話でも文章でも自在に使えます。一方、「昨今」は会話で口頭発話するとやや堅苦しく、主に書き言葉や公の場でのスピーチで機能します。
第二に、「近頃」は和語系の親しみやすい響きを持ちますが、私的なニュアンスを帯びやすいため、厳格な公文書や格式高い社外向け文書では敬遠される傾向にあります。これに対し、「昨今」は客観的・構造的な社会背景を述べるのに極めて適しています。