二人の出会いは、大滝裕子さんが弱冠16歳、志村けんさんが31歳の頃に遡ります。当時、大滝さんは1978年の「CBS・ソニーオーディション」でグランプリを獲得し、翌1979年にシングル『A BOY』で歌手デビュー。大手芸能事務所「渡辺プロダクション」に所属していました。一方の志村さんは、TBS系『8時だョ!全員集合』で「ヒゲダンス」や「東村山音頭」などを次々と大ヒットさせ、国民的スターとして多忙を極めていた全盛期です。
同じ事務所の先輩・後輩という間柄から始まった接点でしたが、出会いから約2年が経過し、大滝さんが18歳を迎えた1981年頃から本格的な交際へと発展しました。志村さんは後年のインタビューや番組証言において、大滝さんの類いまれな歌唱力と明るい人柄に強く惹かれていたことを率直に語っています。
交際は単なる遊びではなく、当初から将来を見据えた真剣なものでした。志村さんは多忙なスケジュールの合間を縫って、山梨県甲府市にある大滝さんの実家を訪問。「結婚を前提にお付き合いさせていただいています」と両親に直接挨拶を済ませていました。昭和の芸能界において、トップコメディアンが相手の実家へ足を運ぶ行動は、極めて異例かつ決意の固さを示すエピソードとして知られています。