名古屋城本丸御殿は、慶長20年(1615年)に徳川家康の命によって建てられた尾張藩主の住居および政庁です。初代藩主である尾張徳川家・徳川義直の居館として格式高く造営され、1930年には城郭建築として国宝第一号に指定されました。しかし、1945年5月の名古屋空襲によって天守閣とともに惜しくも全焼してしまいました。
焼失前の実測図や古写真、疎開によって奇跡的に守られた1,047面もの障壁画(重要文化財)という豊富な一次史料が残されていたことから、2009年に本格的な復元工事がスタート。総工費約150億円を投じ、伝統的な木造工法と一流の宮大工・職人たちの技術を結集して、2018年に全体公開を迎えました。単なる外観の模倣ではなく、釘を使わない伝統木構法や樹齢数百年の国産ヒノキを用いた徹底的な復元へのこだわりは、文化財復元の世界的な成功例として高く評価されています。