この宿を語る上で欠かせないのが、毎朝運行される「語り部バス」の存在だ。ホテルスタッフ自らがマイクを握り、あの日何が起き、人々がどう助け合い、どのように町を再生させてきたのかを自らの言葉で語りかける。2026年のいま、震災を知らない若い世代や海外からの視察者にとっても、この生きた証言は深い衝撃と共感を呼んでいる。
教訓を風化させず、次の世代へ命を守る知恵を手渡すこと。観光産業が担うべき社会的役割の真髄がここにある。車窓から望む復興した町並みと防潮堤、新しく整備された親水公園を眺めながら聞くストーリーは、単なる歴史の解説ではなく、明日を生きるための力強いメッセージとして胸に刻まれる。