かつてスポーツ現場では、怪我をしたら「何時間でも徹底的に冷やす」「感覚がなくなるまで冷やし続ける」という指導が一般的でした。しかし、アイシング最新医学情報の臨床データによると、過度かつ長時間の冷却は毛細血管の再生やマクロファージ(免疫細胞)による組織修復プロセスを阻害し、かえって回復を遅らせるという事実が明らかになっています。
長年親しまれてきた応急処置の基本原則「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」は、現在では過度な完全安静や冷却の長期化を見直した「PEACE & LOVE」や「PRICE」といった新しいプロトコルへと進化を遂げています。急性期における痛みの緩和や過度な腫れの抑制には依然としてアイシングが有効であるものの、「受傷後48〜72時間を超えて漫然と冷やし続けること」は逆効果となる可能性が高いと指摘されています。
「冷やせば冷やすほど早く治る」という認識は古い誤解です。急性期の激しい炎症反応をコントロールする最小限の冷却にとどめ、その後は適切な血流を確保して組織の自己治癒力を高めることが、現代のスポーツ医学におけるスタンダードとなっています。