冠婚葬祭の場における衣服の分類を理解する第一歩は、「礼服(フォーマルウェア)」という大きな枠組みの中に「慶事用」「弔事用」が存在するという包含関係を把握することです。礼服とは、冠婚葬祭や公式行事などの改まった席で着用する格式高い衣服全般を指します。
一方で「喪服」は、礼服の中で弔事(通夜、葬儀、告別式、法要など)に限定して着用する衣服を指します。つまり「喪服は礼服の一種」であり、対立する概念ではありません。
また、女性用の売場などで頻繁に目にする「ブラックフォーマル」は、一般的に黒無地で仕立てられた弔事用・慶弔両用の礼服を指します。女性のブラックフォーマルは、光沢を完全に抑えた生地で作られたアンサンブルやワンピースが主流となっており、男性のブラックスーツと同様に深い悲しみを表す装いとして定着しています。
男性の場合、冠婚葬祭用のブラックスーツを1着持っていれば、慶事には白やシルバーのネクタイ、弔事には黒のネクタイを合わせることで結婚式と葬儀での着回しが可能です。ただし、女性の場合は慶事用の華やかなドレスと弔事用の漆黒のアンサンブルでは求められる露出度や質感が根本から異なるため、基本的には慶事用と弔事用を明確に分けるのがマナーとされています。