そば園佐竹を訪れた際、お品書きの前で多くの人が頭を悩ませるのが「どのメニューを選ぶべきか」という点です。同店のラインナップは無駄を削ぎ落とした構成ながら、それぞれが際立った個性を持っています。
不動の人気を誇るのが天ざる(天もりそば)です。注文が入ってから一品ずつ丁寧に揚げられる天ぷらは、地元常陸太田産の朝採れ野菜や大ぶりの海老が美しく盛られ、薄衣ならではのサクサクとした軽快な食感が際立ちます。油切れが良いため重たさを感じさせず、キリリと冷えた蕎麦との相性は抜群です。
そして茨城の食文化を体感する上で外せないのがけんちんそば(つけけんちん)です。大根、人参、ごぼう、里芋、豆腐などをじっくり炒め煮にした熱々の具だくさん汁に、冷水で締めた手打ち蕎麦をつけて手繰るスタイルは、茨城県北部の冬の風物詩として定着しています。野菜の甘みと出汁が溶け合った濃厚な汁に、力強い太打ちの蕎麦が絶妙に絡み合います。
純粋に蕎麦そのものの甘みと香りだけを追求したい愛好家には、シンプルなもりそば・ざるそば、あるいは蕎麦粉の風味をダイレクトに味わえるそばがきの注文も根強い支持を集めています。