では、そもそもたあ坊はどのような背景から生まれたのでしょうか。その誕生秘話を紐解くと、商業主義とは一線を画した純粋な創作意図が見えてきます。
たあ坊が生み出されたのは1984年。生みの親であるサンリオのデザイナー・島明子氏が、グリーティングカード用のイラストとして描いた無心な男の子のスケッチが原点でした。当時、サンリオではファンシーで整った美少女・小動物キャラクターが主流でしたが、島氏は「飾らない、素直でいつも前向きな元気な子ども」を表現しようと試みました。
大きな口を開けて「うんとこしょ」「がんばるもん」とストレートなメッセージを発するたあ坊の姿は、バブル期に向かって過熱する社会の中で、見る人に肩の力を抜かせる不思議な癒やしを与えました。1987年に本格的なステーショナリー展開が始まると人気は爆発し、翌1988年と1989年には「サンリオキャラクター大賞」で見事1位を獲得し2連覇を成し遂げました。
当時のインタビュー記録において島明子氏は、「たあ坊は誰の心の中にもいる、素直で一生懸命な部分そのもの」と語っています。悪意のない無垢なキャラクター性こそが、多くのファンを惹きつけた最大の要因でした。
ここで、改めて公式に設定されている懐かしい基本プロフィールを振り返ってみましょう。
【みんなのたあ坊 公式プロフィール】
・本名:たあ坊(いつも明るく元気な男の子)
・誕生日:5月5日(こどもの日)
・性格:素直で純粋、友達思い。失敗してもすぐに立ち直る頑張り屋
・特技:水泳(カエル泳ぎが得意)
・苦手なこと:早口言葉、ピーマンを食べること
・大切な仲間:ガールフレンドの「なこちゃん」、弟の「まあ坊」、愛犬の「ぴーすけ」
また、1980年代後半から1990年代にかけて制作されたアニメ作品『サンリオ世界名作劇場』等において、たあ坊の声を担当したのは声優・TARAKO氏でした。独特の温かみと愛嬌に満ちた声の演技は、たあ坊の天真爛漫な個性を完璧に表現し、当時の子どもたちに強い印象を残しました。