2004年8月1日、国立代々木競技場第一体育館で開催されたコンサートをもって、辻希美と加護亜依はモーニング娘。を同時に卒業しました。当時17歳。人気の絶頂にあったふたりの電撃卒業には、当時から現在に至るまで「不仲による離脱ではないか」「体力の限界だったのか」といった様々な憶測が飛び交いました。
しかし、当時の公式発表資料およびその後に本人が自著や特番インタビューで語った生の証言を検証すると、卒業理由の本質は「ネガティブな衝突」ではなく、デュオユニット「W(ダブルユー)」の本格始動に伴う前向きな独立でした。
事務所サイドとプロデューサー陣の意図は、ザ・ピーナッツに代表される昭和歌謡のポップデュオカルチャーを平成に蘇生させることにありました。大人数グループの一員から、看板を背負う独立したアーティストへのステップアップ。辻自身も当時の心境について「モーニング娘。という大きな看板から離れ、2人だけで責任を背負うことへのプレッシャーは計り知れなかった」と吐露しています。
W(ダブルユー)として『恋のバカンス』のカバーなどをヒットさせ、順風満帆に見えた新体制でしたが、その後ふたりには過酷な運命が待ち受けます。加護の喫煙報道による活動停止、ユニットの事実上の解散。辻は突如としてソロ活動を余儀なくされ、アイデンティティの再構築を迫られることになります。
精神的な孤立感を味わっていたこの過渡期に出会ったのが、俳優の杉浦太陽でした。知人の紹介で知り合い、辻からの熱烈なアプローチから始まったふたりの交際は、2007年の電撃結婚発表へと結実します。当時19歳での妊娠・結婚発表は世間に大きな衝撃を与えましたが、逆境を乗り越えて築き上げた家庭は、後の「ママタレ」としての飛躍を支える強固な土台となりました。