「買い物のおまけで貰ったポイントだから、放置して増えたら儲けもの」――そう考えてサービスを利用し始めた人の多くが、数ヶ月後にマイナス表示を見て青ざめる現象が起きています。大手金融機関や調査機関のアンケートデータによると、ポイントを活用した運用サービスの利用経験者は全世代で3割を超えていますが、そのうち「一時的であっても元本割れを経験した」と回答した人は実に4割以上に達しています。
では、なぜ「損するだけ」という過激な評判が独り歩きしてしまうのでしょうか。最大の要因は、サービスの選択と放置する期間のミスマッチです。多くのユーザーが最初に足を踏み入れるのは、PayPayやdポイントなどのアプリ内で完結する「ポイント運用」です。これらは口座開設の手間がない反面、提示される運用コースにNASDAQ100のレバレッジ型(3倍値動きなど)といった極めてハイリスクな商品が標準的にラインナップされています。
相場の上昇局面で参入した初心者が、その後の急な調整局面で「1週間で20%もポイントが減った」という恐怖に耐えかね、最悪のタイミングで引き出してしまう。この行動こそが「ポイント投資は損するだけ」という悪評の根源です。逆に、世界の株式市場全体に分散投資する手堅いコースを選び、日々の値動きを一切見ずに3年、5年と完全放置を貫いたユーザーは、世界経済の成長の恩恵をしっかりと享受しています。
ここでまず整理しておかなければならないのが、ポイント運用とポイント投資の違いです。前者はポイントのまま増減させる「疑似運用」であり、後者はポイントを使って実際の投資信託や株式を購入する「本物の金融取引」です。ほったらかしで着実に資産を築く上では、この2つの根本的な性質を混同しないことが最初の防波堤となります。