彼女の才能が最初に世を震撼させたのは、演劇の世界を苛烈かつ美しく描いた『アクトエイジ』だった。あの時、読者が息をのんだのは、登場人物たちの「目」の演技だ。キャラクターが劇中で役に入り込む瞬間のゾクッとするような表情変化や、感情が破裂するような瞳の揺らぎ。当時から卓越していた人物描写の精度は、間違いなく彼女の代名詞となっていた。
しかし、現在連載中の『魔男のイチ』で見せる作画力は、過去の衝撃を遥かに上回るレベルへと飛躍を遂げている。単なる「美しい絵」にとどまらず、画面全体の空気感や光の陰影、エフェクトの躍動感が緻密に組み上げられているのだ。かつてのリアルな感情表現に、幻想的な迫力が加わった表現の幅。作画の進化は留まることを知らない。