物語の掉尾を飾った最終週では、昭和後期へと時代が進み、司法の第一線で戦い続けた寅子が自らの定年と人生の終焉を迎える過程が描かれました。最終回における最大の白眉は、寅子が歩んできた激動の半生を回顧するだけでなく、彼女の撒いた種が次の世代へと確かに受け継がれている姿を力強く示した点です。
娘・優未(川床明日香)をはじめとする若い世代が、自分たちの選んだ道で自分らしく生きる姿。そして、寅子が終生問いかけ続けた「法は何のためにあるのか」「すべての人に等しく尊厳はあるのか」という問いが、法廷だけでなく日常のあらゆる場所に息づいていることが示されました。
劇中のラストシーンでは、桂場との静かな対話や、これまで寅子の人生に関わってきた懐かしい面々が幻想のように交錯する中で、寅子が満ち足りた笑顔とともに未来へとバトンを渡します。それは、理不尽な世の中に安易に順応せず、「おかしいことには『はて?』と声を上げ続けてよいのだ」という、画面の前の私たち現代人に対する力強いエールそのものでした。