石岡健康センターのもう一つの主役は、大広間の特設ステージで繰り広げられた本格的な大衆演劇の定期公演でした。
月替わりで全国から選りすぐりの有名劇団が招聘され、昼の部(13時開演)と夜の部(18時開演)の2回公演が行われていました。入館料さえ支払えば追加料金なし(座席予約等の指定席を除く)で観劇できるシステムは、地元シニア層を中心に熱狂的なファンコミュニティを形成していました。
公演スケジュールが更新される毎月1日には大広間の予約席が埋まり、煌びやかな衣装をまとった役者が花道に登場すると、客席からはおひねり(祝儀)や熱い歓声が飛び交う光景が日常でした。
また、観劇とともに楽しまれたのが大広間の食事処が提供する充実したメニューです。定番の醤油ラーメンやカツ丼、天ぷら定食から、湯上がりに最適な枝豆、もつ煮込み、生ビールまで、専門の厨房で調理された本格的な料理が低価格で提供されていました。風呂上がりに畳の上で横になり、ビールを片手に芝居や歌謡ショーを眺める——まさに昭和の庶民文化を象徴する極上の時間がそこには流れていました。