藤井家の兄弟構成を正確に把握している人は、熱心なファンを除けば意外と多くありません。実は藤井家は、上から「空(そら)」「海(うみ)」「陸(りく)」「風(かぜ)」と名付けられた、自然の広がりを象徴する四兄弟(二男二女)です。
長男である空と、末っ子である風の年齢差は13歳(空が1984年生まれ、風が1997年生まれ)あります。空がすでに青年期へと差し掛かる頃、風が誕生したという背景もあり、空にとって風は単なる弟という枠を超え、幼い頃からその並外れた才能を見守り愛でてきた愛弟子のような存在でもありました。妹たち(海、陸)を含め、兄弟仲は極めて良好で、家庭内には常に音楽と穏やかな対話が溢れていたと伝えられます。
そして、二人の才能を語る上で避けて通れないのが、岡山県里庄町でかつて両親が営んでいた喫茶店「未茶夢(ミッチャム)」の存在です。店内にはピアノが置かれ、クラシックから洋楽ロック、昭和歌謡に至るまで多種多様なレコードやCDが常時流れていました。「これからはYouTubeの時代が来る」と直感した父親が、まだ小学生だった風に動画投稿を促したエピソードは有名ですが、その土台には喫茶店という開かれた空間で育まれた豊かなリスニング環境と、地域の人々の温かい眼差しがありました。
なお、実家の喫茶店「ミッチャム」は、両親の高齢化やファンの急増に伴う周辺環境への配慮から、2026年代前半に惜しまれつつ閉店しています。しかし、その店内で培われた音の記憶は、現在も兄弟の指先を通じて世界中へと放たれています。