多くのユーザーは「痛いニュース」を単なる“掲示板のまとめ”と捉えていますが、メディア論の観点から見ると、日本のデジタルジャーナリズムに不可逆な変化を与えた存在でした。そこには一般に語られない盲点と功罪が存在します。
第一の功罪は「ニュースの娯楽化(インフォテインメント)」の加速です。新聞やテレビが扱う硬派な事件報道を、一般大衆の俗情やネットスラングと結びつけ、エンターテインメントとして消費するフォーマットを完成させました。現在の大手Webニュースメディアが行っている見出しの工夫(クリックスルー率を最大化するフック設計)の源流は、間違いなくこの時代に確立されたものです。
第二の誤解は「まとめブログ=完全に受動的なコピペ」という見方です。実際には、数千から数万に及ぶ掲示板の書き込みから、どの文脈を抽出し、どの順序で並べ、どのタイトルを冠するかという高度な「編集的作為(フレーミング)」が行われていました。読者は客観的なまとめを読んでいるつもりで、実は管理人「とろ」氏のフィルターを通した世界観を提示されていたのです。