2026年シーズンの富士登山において、最も注意を払うべきは山梨県側(吉田ルート)および静岡県側(富士宮・須走・御殿場ルート)で運用されている包括的な入山規制である。これまでの「誰でもいつでも自由に登れる山」という認識は完全に過去のものとなり、確実な事前計画なしには五合目ゲートを通過することすらできない。
山梨県が管理する吉田ルートでは、五合目登山道入り口に設置された自動改札ゲートにより、1日の入山者上限が4,000人に厳格に制限されている。このうち3,000人分は富士山事前予約システムを通じて事前決済(手数料を含む通行料)を済ませた登山者に割り当てられ、当日枠として確保される1,000人分も早朝の段階で受付終了となるケースが相次いでいる。関係当局の集計データによると、週末や特定のお盆期間におけるオンライン予約枠は、受付開始から数時間で完売する過熱ぶりを見せている。
一方、静岡県側の各ルートでも事前登録システムの定着が進む。山小屋宿泊を伴わない夜間登山(午後4時から翌朝午前3時までの入山)に対しては物理的な抑止措置が講じられ、山小屋の予約確認書を所持していない登山者の夜間通行は原則として認められない。現地ゲートの担当職員は「予約を持たずに訪れ、その場で引き返すことになった登山者が初動期には散見されたが、ルールの周知に伴い事前手続き率は劇的に改善している」と現場の手応えを語る。