舞洲スラッジセンターに対する世論は、メディアの批評とSNS上のリアルな声の間で二極化しています。ネット上の掲示板やSNS、旅行口コミサイトに寄せられた膨大な声を分析すると、興味深い意識の変遷が見て取れます。
建設当初から2010年代にかけては、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)や市政批判ブログを中心に、「税金の無駄遣いの極み」「大阪城より高い下水処理場」「テーマパーク気取りの負の遺産」といった辛辣な批判が圧倒的多数を占めていました。地元納税者にとって、市民生活が逼迫する中でハコモノに800億円が費やされた記憶は、容易に風化するものではありませんでした。
ところが近年のInstagramやX(旧Twitter)、建築愛好家コミュニティでは風向きが変化しています。「実物を見たときのスケール感と細部のこだわりが凄まじい」「ガウディ建築のような生命力を感じる」「これがただの下水処理場だなんて世界に誇れる」といった、建築芸術・産業観光としての純粋な評価が急速に広がっています。外観の曲面タイルや金色の装飾は、現代のコストカット至上主義の建築では二度と再現できない工芸的価値を有しており、「無駄遣いだったかもしれないが、出来上がったものは唯一無二の遺産」というアンビバレントな肯定論が定着しつつあります。