2026年は、日本のドラマ界にとってあまりにも喪失感の大きな年でした。綿引勝彦さんが旅立つわずか8カ月前の2026年4月23日、『天までとどけ』で大家族の母親・定子役を演じ、日本中に太陽のような笑顔を届けた岡江久美子さんが、新型コロナウイルス感染に伴う肺炎のため63歳で急逝していたからです。
ドラマの共演者でありながら、綿引さんと岡江さんは実生活でも互いを「お父さん」「母さん」と呼び合うほど全幅の信頼を寄せていました。報道関係者によると、岡江さんの訃報を知った当時の綿引さんは、自身の過酷な闘病生活の中、言葉を失うほどの衝撃を受け、深い悲嘆に暮れていたといいます。闘病中であった綿引さんは公の追悼コメントを出すことすら叶わない状況でしたが、その胸中は察するに余りあるものがありました。
そして同年12月30日、岡江さんの後を追うように旅立った綿引さん。SNSやネットコミュニティ上では、当時の視聴者から「天国で丸山夫妻が再会してしまった」「平成の理想の父母が同じ年に逝ってしまうなんて……」と、堰を切ったように涙の追悼メッセージが溢れ返りました。子役として共演した「子どもたち」も各々のメディアで回想している通り、撮影現場での綿引さんは、思春期を迎えた子どもたちの学校の悩みや将来の相談に本気で耳を傾ける「本物の父親」そのものだったと証言されています。作り物の家族を超えた魂の交流が、あの奇跡のような名作を支えていたのです。