寺島しのぶの戸籍上の本名は「寺嶋 グナシア 忍(てらじま グナシア しのぶ)」です。2007年にフランス人アートディレクターであるローラン・グナシア氏と結婚した際、梨園の名門出身の女優と外国人クリエイターという組み合わせは世間に大きな衝撃を与えました。
結婚から約20年の歳月が流れた現在も、ふたりの関係性は極めて良好であり、互いの領域を尊重し合うパートナーシップを維持しています。結婚当初、文化や言語の違いによる衝突を危惧する声も一部にありましたが、寺島しのぶ自身が各種インタビューで語っている通り、ふたりの間には「過度にお互いを縛り合わない」という明確な境界線が存在します。
家庭内では日本語とフランス語、英語が交わされるグローバルな環境でありながら、夫のローラン氏は日本の伝統文化や妻のバックグラウンドである歌舞伎の世界に深い敬意を払ってきました。同時に、妻を一人の表現者としてリスペクトし、家庭に閉じ込めようとはしませんでした。家父長制の空気が色濃く残る環境で育った寺島しのぶにとって、個人の自由と尊厳を重んじるローラン氏との出会いは、まさに精神的な解放を意味していたといえます。