企業の総務部や情シス部門、一般のビジネスパーソンから寄せられる「WordへのPDF貼り付け」に関するトラブルの声を集め、編集部で再現テストを実施しました。現場ではマニュアル通りにいかない特有の障壁がいくつも存在します。
ネット上のQ&AサイトやSNSで最も多く見られる悲鳴が、「リンク貼り付けにしたら社外の人から『資料が開けない』とクレームが来た」という事例です。Wordのオブジェクト挿入時には「ファイルへのリンク」というチェックボックスが存在します。ここにチェックを入れるとファイル容量を節約できる反面、Word文書は自端末のフォルダパス(Cドライブ内の場所など)を参照し続けます。このファイルをメール添付で取引先に送ると、参照先のリンクが切れてしまい、相手側では「リンクされたファイルを開けません」というエラー画面が出る結果になります。
また、「64bit版のOffice環境でAdobe Acrobat関連のCOMエラーが発生し、貼り付け自体がブロックされる」というシステム面の問題も現場を悩ませています。社内PCのアップデートに伴いWordが64bit版へ刷新された際、古い32bit仕様のPDFリーダーが競合し、「サーバーアプリケーション、ソースファイル、または項目が見つかりません」という警告ダイアログが表示されるケースです。この場合、Adobe Acrobat Readerの修復インストールを行うか、既定のPDFビューアーをMicrosoft Edge等に再割り当てすることで復旧します。
現場の実態を見る限り、Word単独の操作で完結させようとするほど思わぬ落とし穴にはまりやすいのが現状です。トラブルを未然に防ぐには、WordとPDFの連携仕様を正しく把握し、受け手側の閲覧環境まで想定した手順を踏む姿勢が求められます。