正社員の給料と手取り額のリアル【2026最新】上がらない理由を解剖

正社員の給料と手取り額のリアル【2026最新】上がらない理由を解剖

正社員の給料と手取り額のリアル【2026最新】上がらない理由を解剖の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

春闘における華々しい賃上げ率の報道とは裏腹に、なぜ多くの現場で「給料が上がらない」という嘆きが消えないのでしょうか。そこには日本企業の給与体系と労働市場が抱える、構造的な正社員給料上がらない理由が存在します。

第一に、正社員昇給率相場の二極化です。労働組合を持つ大手製造業やITメガベンチャーが4〜5%超の賃上げを実現する一方で、日本の雇用の約7割を支える中小企業では、仕入れコスト増やエネルギー価格の高騰を価格転嫁しきれず、定期昇給(定昇)を含めても1〜2%未満の昇給に留まる企業が大多数を占めます。月給30万円の社員であれば、1.5%の昇給はわずか月4,500円(税引前)に過ぎず、近年のインフレ率(物価上昇)に完全に負けてしまう計算です。

第二に、日本型雇用慣行の「解雇規制」と「防衛的内部留保」の関係です。一度正社員として雇用すると業績悪化時にも基本給を下げることや解雇が法的に困難であるため、経営側は固定費となる基本給(ベースアップ)の恒久的な引き上げに極めて慎重になります。結果として、好業績時は「賞与(一時金)」で一時的に還元し、基本給のベースを抑え込むメカニズムが働き続けます。

第三に、初任給引き上げの原資問題です。人材獲得競争のために学歴別初任給を急激に引き上げた結果、企業の人件費総枠が圧迫され、そのしわ寄せが30代〜40代の中堅社員の昇給抑制という形で現れる「賃金カーブのフラット化(歪み)」が生じています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。