なぜ猛毒が消える?江戸創業「あら与本店」ふぐの子糠漬けの秘密と購入法を徹底解説

なぜ猛毒が消える?江戸創業「あら与本店」ふぐの子糠漬けの秘密と購入法を徹底解説

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ふぐの卵巣には、致死性の高い猛毒「テトロドトキシン」が極めて高濃度に含まれています。本来であれば一口で命を落としかねない危険部位が、なぜ安全な珍味へと変貌を遂げるのでしょうか。

その製造工程は、気の遠くなるような時間と職人の経験によって支えられています。

まず、初夏に獲れた新鮮なゴマフグの卵巣を大量の塩で1年〜1年半ほど塩漬けにし、水分とともに一定の毒素を浸透圧で抽出します。その後、水洗いして塩抜きを施したのち、木樽に米糠、米麹、イシル(魚醤)とともに幾重にも敷き詰め、重石を載せてさらに2年以上じっくりと本漬け熟成を行います。

この合計3年以上にわたる長期発酵の過程で、耐塩性の乳酸菌や酵母、微生物の働きによって毒素が徐々に分解・消失していくと考えられています。現代の科学研究をもってしても、菌叢(きんそう)の複雑な相互作用の完全な解明には至っておらず、まさに先人の知恵が生んだ発酵の神秘です。出荷前には石川県予防医学協会による厳格な毒性検査がロットごとに行われ、毒性が完全に陰性となったものだけが店頭に並びます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。