単なるお化け屋敷や悪趣味なアトラクションと受け取られがちですが、ハニベ巌窟院の根底には高名な彫刻家による崇高な情念が流れています。開山したのは、日展の審査員なども務めた彫刻家・初代院主の都原伯州(みやはらはくしゅう)氏です。「ハニベ」とは古代の土器や埴輪を作る彫刻師を意味する言葉であり、1951年(昭和26年)に自らの理想郷を築くべくこの地を開創しました。
第二次世界大戦の悲惨さを目の当たりにした伯州氏は、世界の恒久平和を祈願すると同時に、人間が内に秘める「業(ごう)」や「罪」を直視させるために地獄の責め苦を具現化しました。洞窟内の彫刻は、伯州氏とその息子である二代目・都原正州氏が何十年もの歳月をかけて彫り上げた魂の結晶であり、B級スポットという枠組みを遥かに超えた圧倒的な芸術遺産といえます。