彼女のキャリアを振り返るうえで欠かせないのが、30代中盤以降に発表された一連のハワイロケ作品群です。少女期のみずみずしい透明感を収めた初期から、大人のしなやかさを前面に押し出した現在のスタイルに至るまで、深田恭子 写真集 歴代のラインナップは自己変革の歴史そのものと言えます。
その決定打となったのが、2016年7月に集英社から異例の2冊同時刊行となった『AKUA』と『This is Me』です。
『AKUA』は男性ファンを意識し、小麦色に日焼けした肌とアクティブなサーフィン水着姿をダイナミックに切り取った王道グラビアです。一方の『This is Me』は、女性ファッション誌『MAQUIA』が監修を手掛け、同性目線の「パーツ美」やスキンケアの質感にフォーカスした美容系ビジュアルブックとして仕立てられました。この明確なターゲット分離と見事な二面性の提示は、出版マーケティングの歴史に残る成功例として語り継がれています。
そして2020年、集大成として世に放たれたのが『Brand new me』です。カリスマトレーナーとの過酷なトレーニングを経て仕上げられたヒップラインや背筋の美しさは、単なるグラビアの枠を超え、肉体表現の芸術として各メディアで絶賛されました。これら一連の作品は、年齢を重ねるごとに表現の純度を高めていく彼女のプロフェッショナリズムを雄弁に物語っています。