係数の合わせ方には、スピード重視の「目算法」と、どんな難問も機械的に突破できる裏ワザ「未定係数法」の2種類が存在します。状況に応じてこれらを使い分けるのが得策です。
日常的な問題の9割は目算法で解決します。コツは「最も複雑な分子の係数を仮に1と置くこと」、そして「式の中に1種類しか含まれていない原子から優先して数を合わせること」です。例えばメタン(CH₄)の燃焼であれば、最も要素が多いCH₄を基準に炭素(C)と水素(H)を先に確定させ、最後に単体である酸素(O₂)で全体の数を調整します。
一方、複雑な有機化合物の反応や酸化還元反応などで目算法が通用しない場合は、数学の連立方程式を応用した未定係数法が威力を発揮します。
例えば、銅と希硝酸の反応のような入り組んだ式では、係数を未知数(a, b, c, d...)と仮定します。
aCu + bHNO₃ → cCu(NO₃)₂ + dH₂O + eNO
各原子(Cu, H, N, O)について「左辺の原子数=右辺の原子数」となる方程式を立て、a=1と仮定して解き進めます。最終的に全体を整数倍して分数を払えば、計算ミスを根絶した正確な係数が必然的に導き出されます。