1990年代の名作ゴルフ映画『ティン・カップ』を思い出すファンも多いはずだ。主人公が池越えのショットに執着し、何度も同じ過ちを繰り返して自滅するシーンは、フィクションでありながらプロゴルフ業界の冷徹なリアルを物語っている。リスクを冒して奇跡の一打を狙う衝動は、ギャラリーを沸かせる反面、一瞬で勝利を奪い去る。
テレビの中継で耳にする鋭いゴルフ解説でも、識者たちは一様に「欲との戦い」を強調する。バンカーの顎が高い位置からの無理なリカバリーや、深いラフからの強引なロングショット。これらはすべて、直前のミスを取り戻そうとする焦りから生まれる。プロの世界であれアマチュアの週末ゴルフであれ、感情がクラブを振らせた瞬間に、トラップの罠にかかるのだ。