徳洲会グループ創業以来の理念である「生命だけは平等だ」。このフレーズは、美しい理念であると同時に、現場にとっては圧倒的なプレッシャーの源泉でもある。特に大阪南東部を覆う高齢化の波は激しく、軽症から重症、さらには身元不明者や身寄りのない高齢者まで、あらゆる状態の患者が押し寄せる。
「来たら断らない。それが私たちの存在意義です」。救急外来を預かるベテラン看護師はそう語る。しかし、気合や根性論だけで乗り切れる時代はとうに過ぎ去った。2026年の医療現場に求められているのは、精神論ではなく、冷徹なまでのシステム化と確固たる医療安全の担保である。満床状態が続く病棟と、絶え間なく到着する救急車。その板挟みの中で、現場はいかにして「命の砦」を守り続けているのだろうか。