映画の成否を分ける配役において、製作総指揮・原作・脚本を手掛けた西野亮廣が仕掛けた戦略は極めて明快かつ大胆だった。吉本興業と東宝という強力なタッグのもとで進められたプロジェクトにおいて、声優の知名度だけに頼る安易なスタスティングは徹底して排除された。求められたのは、キャラクターの根底にある「剥き出しの感情」を表現できるかどうかのただ一点である。
製作初期のキャスティング会議では、従来のプロ声優を中心に据える案も浮上していた。しかし、西野の強いこだわりによって、俳優陣が持つ生々しい呼吸感と、ベテラン声優陣が支える盤石の土台を融合させるハイブリッドな構成が選ばれた。スコップ役の藤森慎吾やダン役の宮根誠司といった個性豊かなキャストが配置された背景には、キャラクターの持つ滑稽さと哀愁を同時に引き出すという明確な狙いがあったのだ。