岩手県遠野市において、羊肉を囲む時間は単なる食事以上の意味を持つ。農作業の合間や冠婚葬祭、親族の集まりなど、あらゆるコミュニティの中心には常に鉄板があった。全国的には北海道が羊肉の代名詞として語られがちだが、遠野ジンギスカンには独自の美学と誇りがある。
タレ漬け肉を焼くスタイルではなく、新鮮な肉を焼き上げてから秘伝のタレに潜らせる後付けスタイル。この文化をジンギスカン専門料理店として昇華させ、郷土料理・ご当地グルメの枠組みを超えた存在へと押し上げた立役者こそが、遠野食肉センター 遠野本店だ。遠野市観光協会も太鼓判を押すこのカルチャーは、今や東北を代表する食遺産として認知されている。