栃木県矢板市のなだらかな丘陵地帯に位置するこのクラブ。最大の特徴は、クラブハウスそのものが芸術品である点だ。建材の多くを英国から直輸入し、マナーハウス(貴族の館)の伝統様式を細部まで忠実になぞった建築美は、国内のゴルフ場設計の歴史においても極めて稀有な存在感を放っている。
コースデザインを手掛けたのは、日本のゴルフ場設計界において異彩を放ち続けた故・加藤俊輔氏だ。「自然を愛し、自然の声に耳を傾ける」という哲学のもと、スコットランドのリンクス思想を日本の風土に落とし込んできた職人である。加藤氏がここで具現化したのは、フラットでありながらも決して単調さを許さない、幾何学的かつ戦略的な18ホールだった。
フェアウェイには巧みなアンジュレーションが波打ち、プレーヤーの視界を狂わせる。日本ゴルフ協会が掲げる自然との調和という原点を体現するかのように、池やバンカーは単なるハザードではなく、美しい景観の一部として計算し尽くされているのだ。