正統派俳優としての地位を確立していた原田龍二が、リスクしかないように思える過激なオファーを引き受けた背景には、彼ならではの明確な哲学と家族の存在がありました。本人の手記や出演当時のインタビューで語られた決断の深層には、主に3つの理由が存在します。
第1の理由は、「二枚目俳優という固定概念の打破」です。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでの準グランプリ受賞からキャリアをスタートさせ、時代劇や刑事ドラマの第一線で活躍してきた原田は、長年まとわりついていた「爽やか」「堅物」といったステレオタイプからの脱却を模索していました。守りに入ることへの危機感が、極限のチャレンジを受け入れる原動力となったのです。
第2の理由は、「ダウンタウンと制作陣への絶対的なリスペクト」です。幼少期からお笑いを愛し、『ガキ使』の熱心な視聴者でもあった原田は、「天下のダウンタウンを本気で笑わせたい」という純粋な表現欲求を抱いていました。「やるなら照れを一切捨てて本気でやり切る」という覚悟が、あの一切の妥協がないキレのある動きを生み出しました。
そして第3の決定打となったのが、「妻(嫁)の力強い後押し」です。オファーを受けた際、家族に相談した原田に対し、妻の愛さんは「やるなら恥ずかしがらずに、思い切りやりきりなさい。中途半端が一番格好悪い」と背中を押したと明かされています。家族の深い理解と承認があったからこそ、迷いなくステージに立つことができたのです。