「Sad Song」を決定的な名曲へと昇華させた要素として、当時弱冠18歳だったシンガーソングライター、エレナ・コーツ(Elena Coats)の存在を外すことはできない。
トラヴィスの力強くも切ない歌声に対して、エレナの透明感に満ちた儚げなボーカルが重なることで、楽曲は単一の視点から「二人の対話」へと昇華する。男と女、あるいは愛し合う二つの魂が、互いの不完全さを補い合うかのように歌声を交わす。彼女の繊細な声の質感が、歌詞の持つ切なさを何倍にも増幅させているのだ。二人の声が重なる重厚なサビのハーモニーは、聴くたびに鳥肌が立つほどの美しさを誇る。