客席の上部に取り付けられた超小型センサーが、テーブルの皿の枚数や滞在時間を秒単位で解析する。注文が入れば、厨房のシャリロボットが絶妙な空気を含ませて米を握り、専用レーンが時速数十キロの体感速度で目的地へネタを運ぶ。注文から提供までの時間は極限まで削られ、廃棄ロスはほぼゼロに抑え込まれる仕組みだ。
一般社団法人日本フードサービス協会が発表する市場動向を見ても、外食産業の中でいち早く省人化とデジタル化へ巨額投資を振り向けたのがこの業界だった。かつて職人が握るカウンター寿司のイミテーションとして出発したシステムは、いまや世界中のファストフードチェーンが視察に訪れる高度なフードテックの集積体へと進化を遂げている。皿が回らない回転寿司――その矛盾した佇まいこそが、過酷な生存競争を勝ち抜くための必然だった。