彼の音楽的根底にあるのは、1950年代から60年代にかけてアメリカで開花したドゥーワップへの深い敬意だ。幾重にも重なるボーカルライン、胸を打つ低音のベースパート、そして情感あふれるファルセット。これらを日本語の豊かな響きと完璧に融合させた手腕は、日本のポップス史においても異彩を放つ。
単なる懐古趣味ではない。フレーズの一つひとつに宿る躍動感と、圧倒的な声量は、長年のライブパフォーマンスによって鍛え上げられたものだ。「音を楽しむ」という音楽の原点を突きつけるようなボーカルアプローチは、耳の肥えたベテランファンのみならず、本物のサウンドを求めるZ世代やAlpha世代のクリエイターたちの心をも捉えている。