病を克服しつつあったボニーは10歳の誕生日を目前に控え、くまからの手紙が一通も届かない異常事態と、監視員たちの冷酷な態度に不信感を募らせます。城の外へ出ようとするボニーを武力で拘束しようとするアルファに対し、ボニーが発動したのが「トシトシの実」の真骨頂である「歪んだ未来(ディストーション・フューチャー)」でした。
自身の年齢を自在に操るだけでなく、「あり得たかもしれない別の可能性」を肉体に具現化させるこの能力。ボニーは、幼い頃にくまから繰り返し聞かされていた「いつでもどこでも人を笑わせ、苦境から救い出してくれる太陽の神ニカ」の姿を強く想起します。「私がもしニカみたいな未来」と強くイメージした瞬間、彼女の細い腕はルフィの「ギア3」を彷彿とさせる巨大なゴムのような剛腕へと変貌を遂げました。
放たれた強烈な一撃はアルファを粉砕し、ソルベ王国の旧友たちと共に小型船で海へと漕ぎ出す道を切り開きました。父が語り継いだ希望の神話が、絶望に閉じ込められていた愛娘を物理的に解き放つ力へと昇華された構図は、エッグヘッド編全体のテーマである「意志の継承」を象徴する屈指の名演出として語り継がれています。