長らく「菊のカーテン」に守られてきた情報発信のあり方は、ここ数年で劇的な地殻変動を起こした。宮内庁がSNS活用へ舵を切り、宮内庁公式YouTubeチャンネルを開設したことは、従来の広報戦略を根本から覆す試みだったといえる。
目的は明快だ。若年層を中心とする皇室離れへの危機感と、ネット空間に蔓延する真偽不明の言説に対する直接的な事実提示である。視聴者の生活様式が変化し、テレビの地上波からNHKプラスをはじめとする配信プラットフォームへと情報接触が移行する時代において、皇室側もまた「届くメディア」を選び取らざるを得なくなった。神秘性を保ちながら、どこまで透明性を確保するのか。この危うい均衡の上で、新たな広報の模索が続いている。