指先ひとつで無限にスクロールできる現代において、YouTubeなどの動画共有サイトでは癒やし系動画の再生回数が天文学的な数字を叩き出している。子猫が毛糸玉と格闘する短いクリップや、カワウソが器用にエサを食べる様子を収めた映像は、なぜこれほどまでに強力な引力を持つのだろうか。
心理学や脳科学の知見によれば、幼い特徴――大きな頭部、丸い瞳、短い手足――を目にしたとき、人間の脳内ではオキシトシンやドーパミンが分泌され、ストレスが劇的に軽減されるという。重厚なネイチャードキュメンタリーをじっくり鑑賞する時間がない忙しい現代人にとって、掌の中で数秒単位で消費できる無垢な姿は、最も手軽で即効性のある心の処方箋として機能しているのだ。