知床の地域経済を支えるエコツアー観光業にとっても、安全確保と自然体験の質の維持は表裏一体の課題だ。ガイド事業者たちは徹底したリスク管理のもと、野生動物の行動パターンを熟知したツアーを提供し、観光客へ正しいマナー啓発を行っている。
過度な規制で立ち入りを全面的に禁止するのではなく、ルールを守った上で自然の美しさと厳しさを体験してもらう。そのためには、ツアー参加者一人ひとりが「自然の領分に立ち入らせてもらっている」という強い当事者意識を持つことが不可欠だ。持続可能な観光モデルの構築に向け、業界全体での模索が続いている。