当時の少女たちにとって、集英社から刊行されていた「りぼんマスコットコミックス」(RMC)の新刊を手に入れることは、何よりのイベントだった。背表紙に並ぶ可愛らしいロゴと、陸奥A子が描くパステルカラーのカバーイラスト。それらは単なる単行本ではなく、宝物のような所有感を満たしてくれる存在だったのだ。
部屋の棚に並べられた単行本の美しさは、少女たちの美意識を育てる役割も果たした。出版業界にとっても、コミックスというプロダクトそのものがインテリアやライフスタイルの一部として消費される文化を築いた金字塔と言える。