原作者の芥見下々が描くロジックは、緻密でありながら極めて容赦がない。キャラクターがどれほど魅力的であろうと、戦闘の理(ことわり)からは絶対に逃さないのが芥見スタイルの神髄だ。
226話で描かれた圧巻の一幕は、反転術式を単なる回復手段ではなく、「攻撃のためのブースター」へと昇華させた場面である。術式が焼き切れた状態で簡易領域すらも削られ、万事休すかと思われた瞬間、五条が反転術式で回復させたのは傷口ではなく、焼き切れた「無下限術式」そのものだった。
一瞬の隙を突き、五条は宿儺の懐に飛び込む。そしてゼロ距離から放たれた術式反転「赫」。至近距離で顔面を撃ち抜かれた宿儺は、自身の伏魔御廚子の中心へと激しく吹き飛ばされた。最強と呼ばれた男が見せた、底知れぬ底力。窮地を脱するどころか、一瞬で主導権を奪い返すその姿に、読者は鳥肌を禁じ得ない。