この独特な提供スタイルのルーツを辿ると、東京・三田の地に辿り着く。ラーメン二郎の創業者である山田拓美氏が、近隣に位置する慶應義塾大学の学生たちの腹を満たすために安くて圧倒的な量のラーメンを提供し始めたことがすべての始まりだ。腹を空かせた腹ペコ学生たちに手際よく、一刻も早く熱々のラーメンを届けるために考案されたのがロット煮込みの仕組みだった。
当時の学生たちは、安価で大盛りのラーメンに感謝し、店主の手際を助けるように自発的に素早く食べ終える文化を育んでいった。カウンターに置かれた丼を食後に上の段へ上げる行為や、テーブルを布巾で拭く動作と同じく、ロットを乱さないスピーディーな食事態勢は、客側から店側への敬意の表れとして自然発生的に定着していった歴史がある。