東海大学の道場に足を踏み入れると、壁一面に飾られた歴代の覇者たちの誇らしい写真が目に飛び込んでくる。無敗の伝説を打ち立てた山下泰裕の重厚な威厳。そして、華麗な内股で世界を魅了した井上康生が残した足跡。ここで育まれた勝ちの美学は、太い血脈となって代々の選手たちに引き継がれてきた。
その伝統は令和の時代になっても途絶えることがない。緻密な組み手と勝負勘で世界を制した髙藤直寿や、豪快な一本背負いと圧倒的な精神力で戴冠したウルフ・アロンなど、同部出身の金メダリストたちが証明した強さは今も眩い。偉大な先輩たちの背中を追いかけ、そして追い抜こうとする貪欲な姿勢こそが、常勝の連鎖を生み出す根源である。