ブランドの歴史を紐解く上で欠かせないキーマンがいる。株式会社パイオニアモッスの創業者であり、伝説のシェイパーとして知られる田沼進三だ。彼が1970年代後半、雪の上で波に乗る感覚を追い求めて自作した木製ボード。それこそが、現代まで続くスノーサーフィン(SNOWSURF)の原点である。
「山を波に見立てる」という発想は、当時のゲレンデでは極めて前衛的であった。しかし、自然の起伏に逆らわず流れるように滑るスタイルは、日本の豊かな降雪環境と完璧な相乗効果を生み出す。雪山のあらゆる地形をサーファーの視点で読み解き、ターンそのものをアートへと昇華させた功績は計り知れない。