甘草はその優れた抗炎症作用・鎮痛作用から、医療用漢方製剤の約7割、さらにはドラッグストアで手に入る一般用医薬品(総合感冒薬、鎮咳去痰薬、胃腸薬、トローチなど)にも幅広く配合されています。
厚生労働省のガイドライン等では、甘草の1日摂取量が「1g以上」で偽アルドステロン症のリスクが生じ、「2.5g以上」(グリチルリチン酸として約100mg以上)になると発症リスクが跳ね上がるとされています。特に以下の人気処方は甘草の含有量が比較的多いため、日常的な服用には注意が必要です。
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):こむら返りの特効薬として有名。甘草含有量が1日量で約4.0〜6.0gと非常に高く、連用は厳禁。
・葛根湯(かっこんとう):風邪の引き始めに使われる代表格。甘草が約2.0g含まれる。
・小柴胡湯(しょうさいことう)や防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):肥満症や便秘改善で長期連用されやすく、知らぬ間にリスクが蓄積する。
また、医薬品だけでなく、醤油や漬物、お菓子などの甘味料としても甘草抽出物が使用されているケースがあります。サプリメントや複数の市販薬を同時に併用する「生薬の重複摂取」には最大限の警戒を払わなければなりません。