海軍の英雄として長年無敗を誇り、かつて海賊王ゴール・D・ロジャーと幾度も死闘を演じたガープが深手を負った背景には、緻密に計算された海賊側の狡猾な罠がありました。その決定打となったのが、元インペルダウン看守長であり「スケスケの実」の能力を手に入れた雨のシリュウによる奇襲です。
戦場において、罠にかかりかけた一般海兵や仲間を助けようと飛び出したコビーに対し、透明化していたシリュウが死角から必殺の刃を突き出しました。これに気づいたガープは、自らの肉体を盾にしてコビーの前に割り込み、胴体を深々と貫通される重傷を負うことになります。シリュウがコビーを狙った理由は極めて合理的でした。正面から打ち合えばガープに敵わないことを悟っていた黒ひげ海賊団にとって、「ガープが絶対に身を捨ててでも守る存在」であるコビーを狙うことこそが、伝説の英雄の強靭な防御を崩す唯一の手段だったのです。
致命的な刺突を受けながらも、ガープはシリュウを地面に叩きつけて戦闘不能寸前に追い込みました。しかし、胴体から大量の血を流すガープの前に立ちはだかったのがクザンでした。かつての師が明確に弱体化した瞬間を見逃さず、クザンは氷のグローブを右腕に纏い、ガープの武装色の拳と正面から打ち合います。激しい覇気の炸裂とともに両者は吹き飛び、最終的にガープは地面に大の字に倒れ込むこととなりました。単なる1対1の力負けではなく、「人質を庇う自己犠牲」と「元大将クラスの全力打撃」が重なったことこそが、ガープ落日の真相です。